委員会
小学校6年生の頃には、学校では委員会活動があり、何らかの委員会活動に入らなければならなかった。
私は、小学校6年生のときは美化委員会だった。
美化委員会とは、名前の通り、学校をきれいにするための委員会で、学校の清掃やリサイクル活動をする委員会だ。
しかし、別に私は学校を掃除したり、リサイクル活動をしたりすることに興味があったわけではない。
私は、仲良くしてくれている友達が何人かいたのだが、ある子は放送委員会をしたいと言っていて、話ができない私は放送で学校中に自分の声が流れることになるなんて耐えられなかったから一緒にはできなかったし、他の子と一緒の委員会になろうとしたら、その委員会になりたい子が多くてジャンケンで負けて、私は仲のいい子と同じ委員会になることはできなかった。
美化委員会は、私の他に女の子3人いたが、その3人は同じ仲良しグループで、私だけそんなに仲が良くなかった。(険悪だったわけでもなかったけど)
だから、なんとなく委員会活動の時間は居心地が悪かった。
美化委員会は、朝早くに学校に来て掃除をしなければならなかったり、リサイクル活動をしなければならなかったりしたのだが、私はどうしても行きたくなくて、1人だけ活動に参加せず、さぼっていた。
そんなことを続けていたら、その女の子達が、美化委員会の先生に
「なおさんが美化委員会に参加していません」
と言ったのだろう、私は美化委員会の先生に呼ばれて、先生、女の子達、私で話をすることになった。
話をすると言っても、やっぱり私は学校では一切口がきけなかったので、何も言えなかったし、美化委員会をさぼっていたことは事実で、私が悪いということもわかっていたから、黙っていることしかできなかった。
女の子達はやはり、
「なおさんにも美化委員会に参加して欲しいのに、全然来てくれないから困ってるの」
と言って、泣き始めてしまった。
それまで、私が学校で誰かを泣かせてしまうことは1度も無かったので、驚いたと同時に半端ない罪悪感に襲われた。
やっぱり私がさぼっていたのが悪いので、3人に謝りたかったのだが、声はやっぱり出てこなくて、いたたまれない気持ちになった。
私も目が涙で滲んだ。
そうしていると、先生が、
「なおさんは、美化委員会をさぼりたくて参加しなかったんじゃないと思うよ。
あなた達が仲がいいから、そこに上手く入っていけなくて、美化委員会に来にくくなったんじゃないかな?」
と言ってくれた。
その通りだったので、泣きそうになりながら頷いた。
その日から、女の子達は私が入っていきやすい空気を作ってくれるようになって、私は美化委員会に参加できるようになった。
私がさぼってしまったことを怒らずに、理由をちゃんとわかって、彼女たちに話してくれた先生にはとても感謝している。