みるくちゃん
小学生の頃、2回ハムスターを飼ったことがある。
初めてハムスターを飼ったのは小学校4年生のときだった。
ペットショップに行ったら、白いジャンガリアンハムスターが2匹いて、そのうちの1匹が元気いっぱいに動いていたから、その子がすごく可愛かったので、その子を家で飼うことにした。
見た目はこんな感じだった。
お饅頭みたいで可愛いかった。
家にやってきたハムスターは、色が白かったことから、「みるく」と名付けられた。
みるくちゃんは男の子のハムスターだった。
ものすごくなでなでしたかったのだが、ハムスターは、1週間くらいは環境に慣れてもらうために、触ったりしてストレスを与えるのは辞めた方がいいとのことだったので、来てから1週間は餌を与え、毎日お水を変えるくらいで、後は放置していた。
でも、1週間過ぎるのを心待ちにしていたし、時間さえあればみるくちゃんをひたすら眺めていたなぁ。
そして待ちに待った1週間後。
その日の朝、私は弟の泣き声で目が覚めた。
何があったのかというと、弟がみるくちゃんに触ろうとしたら、指を血が出るほど強く噛んだのだそうだ。
「警戒心の強い子なのかな」
と思ってもうしばらく放置期間を増やして今度は私がみるくちゃんを抱っこしてみたところ、私も噛まれた。
なかなか痛かったなぁ。
みるくちゃんの噛み癖は、いつまでたっても治らなかったので、直接触って抱っこすることはあまり出来なかった。
でも、お散歩させたり、餌をあげたりして触れ合い、大事に大事にお世話しました。
みるくちゃんを飼っていた当時、私はクラスメイトの女の子から陰口を言われたり、無口で小さかったことから「ムクチビ」と呼ばれていじめられていた時期だった。
これは、家族には言えなかった。
辛い時期を耐えられたのは、みるくちゃんが愛くるしい姿を見せてくれていたおかげだったし、私は家族にいじめのことを言えない代わりにみるくちゃんに、
「今日ね、学校でこんなことがあってね、」
と話をしていた。
返事は当然返ってこないけど、私の話を否定せずに聞いてくれるから、私はみるくちゃんにお話するのが大好きだった。
でも、お別れは突然訪れた。
ある寒い日、いつものようにご飯をあげようとしたら、いつもご飯の時間になったら小屋から出て待っているみるくちゃんが小屋から出てきていなかった。
おかしいな、と思って小屋の中を見たら、ピクリとも動かないみるくちゃんがいた。
一気に血の気が引いた。
「お母さん!みるくちゃんが動いてない!」
と言って母を呼び、みるくちゃんを一緒に小屋から出したら、すでにみるくちゃんは冷たくなっていました。
大事に世話をしていたつもりだったけど、部屋に暖房がなかったから、きっとすごく寒くて凍死してしまったのだと思う。
小4のたった1年間しかそばにいられなかったこと、寿命までいっぱい生かせてあげられなかったこと、そして何より大切な友達がいなくなったことが本当に悲しくて、その日は一晩中声をあげて泣いたし、あまりのショックで翌日学校を休んだ。
短い間だったけど、私のお友達でいてくれて本当にありがとう。
ずっと私のことお空から見ててね。
と手紙を書いて一緒に埋葬した。
なんか、みるくちゃんのことで、初めて身近な命がいなくなることの悲しみを理解出来たような気がする。
いくら小さくても、命はものすごく尊いから、一緒にいられる時間は大事にしないといけないね。