愛しの妓夫太郎
今週のお題「鬼」
ネタバレを知りたくない方は読まないでください!
その遊郭編には私が大好きでたまらないキャラクターが登場します。
それは、この遊郭編のボスキャラともいえる妓夫太郎です。
妓夫太郎は鬼滅の刃に登場する鬼たちの中で最も強いとされる上弦の鬼の一人です。
普段は妹である堕姫の中で眠っていますが、堕姫がどうにもならない状態になると堕姫の体から出てくる鬼です。
美しく、遊郭の中でもトップクラスの人気を誇る堕姫のとは対照的に不健康にやせ細った醜い兄で、自分より幸せな人間を許さないという一見すると非常に不気味で悪い鬼のように見えますが、彼にはそれを覆すほどの大きな魅力があると私は思っています。
(醜い容姿という設定ではあるものの、私はダウナーな感じのキャラクターが好きだし、あの不健康そうな感じがたまらないわぁ♡と思っているので私は妓夫太郎の容姿も大好きなのですが)
妓夫太郎を見ていて、私自身と当てはめて共感できるところと、私とは違ってとても魅力的なところがあるのでそのお話をしてみようと思います。
ここからはネタバレになりますが、人間時代、妓夫太郎は遊郭の最下層の環境で生まれ、容姿も醜かったことから人々からは罵倒され、石を投げられ、生みの母からも何回も殺されそうになるなど、非常に過酷な状況にありました。
この過去があって、鬼になってからも自分より恵まれた存在に対する嫉妬だったり、憎しみがあるのだろうということは私にも少し共感できる部分がありました。
私の環境は妓夫太郎みたいにひどい物ではなかったけれど、家は裕福ではなかったし場面緘黙症で他人と会話ができなかったことで小学校から高校まで人から気味悪がられてきた経験があります。
現在も他者とうまくかかわることができなくて孤独感を感じることも多いので、自分よりキラキラしている人たちや幸せそうにしている人たちに対しての嫉妬心で苦しくて仕方がなくなる時がたまにあります。
妓夫太郎の背景から、彼が幸せな人間を許せずにいる気持ちが少しだけ理解でき、好きなキャラクターとなりました。
そんな妓夫太郎の唯一の希望が妹の梅、後の堕姫でした。
梅はとても美しく、妓夫太郎の自慢の妹でした。
梅も髪の色が特殊だったために母親が気味悪がって殺そうとするのですが、その梅を妓夫太郎はずっと大事に守り、育ててきました。
それは妓夫太郎たちが鬼になったのち、そして死ぬ間際になっても変わることはなく、妓夫太郎の行動から梅への深い愛情を感じる場面が多々あり、私はさらに妓夫太郎が大好きになりました。
私には弟がいます。
私は母親に恵まれていたので、母に大切に育ててもらってきた自覚はあるのですが、母親に愛してもらった自覚のある私でも弟をここまで大事にはできずにいました。
弟には友達がいて、彼女ができて、そこそこモテて、私にとってはうらやましい存在でした。
妓夫太郎みたいに弟を可愛がったり、面倒を見たりすることはできず、いつも私は自分の事ばかりで、弟のことすら嫉妬の対象でした。
自分は話すことができず一人でいるのに弟にはできて、周りに人がいる。
その事実を喜ぶことができなくて、何も悪くない弟に当たり散らす日々でした。
母に大切にされても下の兄弟を大事にできなかった私から見て、親を含め誰にも愛されたことも大事にされたこともなかった妓夫太郎が梅のことを本当に大切にしていたことはとてもすごいことだと思っています。
大事にされた経験がないのに妹を大事にできた妓夫太郎は根はとっても優しくて暖かい青年だったのではないかと思っています。
個人的にぐっと来たシーンがあって、堕姫は容姿の劣ったものを嫌う性格をしていましたが、容姿が醜い兄に対して
「お兄ちゃんのこと醜いなんて思ってないよォ!!」
と言う場面があるのですが、梅が容姿ではなく愛情を惜しみなく注いでくれた妓夫太郎の心をちゃんと見ていて、梅もそんなお兄ちゃんが大好きなんだろうな、ということがうかがえるところなので好きな場面です。
現在アニメでは妓夫太郎たちと炭次郎達との闘いが熱いですが、その後妓夫太郎たち兄妹どうなってくのかを思うと悲しくなりますが、彼の過去がアニメでどのように描かれるかがとても楽しみでもあります。
私は妓夫太郎が大好きです♡