席替え
先生が
「席替えします!」
と言ったら、大体の子は
こんな感じで喜ぶよね。
一方、私は席替えなんて大嫌いだったから、みんなが大喜びする意味が全く理解できなかった。
なんで席替えが嫌いだったのかの理由を話します。
まず、私は環境の変化にすこぶる弱い。
学校って、起きている時間の多くを過ごすし、学校の時間の多くは席に着いていることが多い。
だから、座席が変わることは、長時間過ごす環境が変化することだった。
その変化が単純にストレスだった。
あと、隣の子を始め、周りの子達に非常に申し訳なくなることも辛かった。
私は話ができないことによって相手につまらない思いをさせてしまうことが多くて、小さい頃から友達が極めて少なかった。
その極めて少ない仲のいい子が近くの席になったら良かったのだけど、席替えは基本的にくじ引きで行われていたため、そんなラッキーは滅多に起こらなかった。
仲良くない子と近くの席になったときに、
「話せない私が近くの席になってしまって本当にすみません」
という気持ちになるし、実際に
「えー、なおが隣とかつまんないじゃん」
とか言われたらもう消滅してしまいたくなる。
(´・ω・`).;:…(´・ω...:.;::..(´・;::: .:.;: サラサラ..
席替えなんてなければ、こんな気持ちにならなくて済むんですよ。
そして、普段私をいじめたり、私の陰口を言ったりしている子が、席替えのときだけ私に猫なで声で頼み事をしてくることも気に入らなかった。
その頼み事というのが、大体、
「なおさん、私、1番前の席になったんだけど、代わってくれない?」
というもの。
本当、ふざけないで欲しい。
私だって、先生の目の前なんて嫌だし、皆から後ろ姿を見られ続ける席なんて無理なんだ。
それに、いつもは私のことをボロクソに言ってるくせにそういうときばっかり優しい声出したって駄目なんだからな。
そんな思いがあって、私は無言で首を横に振っていたのだった。
そうすると、その子は一気に不機嫌になるんだけど、私はそういう頼みはずっと断っていたな。
緘黙とはいえ、NOだけは言える人間だった。
そういうわけで、基本的には席替えは嫌いだった。
でも、本当に稀に奇跡が起こって席替えでいい思いをしたこともある。
それについてはまた今度書きます。