高校デビュー失敗
私は、話が出来なかったことによって、中学時代までそれはまぁ悲惨な学校生活を過ごした。
いじめや陰口に耐えるばかりの辛い日々だった。
そんな日々とおさらばしたくて、高校では喋れるようになりたいと強く思った。
孤立することなく友達を作って、惨めな学校生活を送るのをやめるのだ!
でも、私の中学時代を知ってる人がいたら、やっぱり喋りにくい。
だから、中学校の校区からは離れた学校を選んで入学した。
本当に本当に本当に、高校時代は普通に話せるようになりたいって思っていたのだ。
なのに.....。
入学式のときに、衝撃的な事実が判明した。
なんと、私の人生で初めて私の悪口を言った子と同じ学校、しかも同じクラス、そして私の真後ろの席がその子の席だったのである。
↓悪口についての詳しい話はこちら
場面緘黙症で話せなかったことと、身長が低かったことで、無口、チビと言われ、それが合わさって「ムクチビ」というあだ名を勝手に付けて私の悪口を私にも聞こえるように散々言っていた子がいたのである。
怖い、怖い、怖い!
私は背後から恐怖しか感じられなくて、その恐怖から喉が塞がれる感覚がして、やっぱり喋ることができなくなっていた。
自分が恐怖にとりつかれている苦しさや、また話せなくて暗黒の高校生活を送ることになるのか、という絶望感に苛まれながら、私の高校デビューは失敗に終わったのであった。