一目瞭然
よく、場面緘黙症というと、
「ただ大人しいだけでしょう」
とか、
「人見知りなだけ」
とか、
「今はなんでも病気にするんだね」
とか言われることが本当によくある。
私は場面緘黙症の当事者だけど、経験した立場から言わせてもらうと、やっぱり場面緘黙症はれっきとした病気だと思う。
まず、場面緘黙症でほとんど口がきけなかった私は、自分で自分のことを病気だと思う前に、周りから悪い意味での特別扱いをされてきた。
例えば、大人しかったり、人見知りなだけなら、
「あいつ、全然しゃべんないよ」
と言われることはそんなに無いんじゃないかと思う。
ましてや、わざわざ集まってきて
「あいうえおって言ってみて!」
と言われるのは、場面緘黙症が大人しい性格だったり人見知りだったりするだけではなかなか経験しないんじゃないかと思う。
さらに、ちょっと微笑んだり、声を出しただけで学年中が
「シャァベッタァァァァァァァ!!!」
とか
「ワラッタァァァァァァ!!!」
と大騒ぎになることも、ただの人見知りでは起きない現象だと思う。
現に、そんな経験をしていたのは、私の学校では私だけだった。
要するに、何が言いたいのかというと、大人しい性格だったり人見知りだったりする人と、場面緘黙症の人は、特徴的には似ているように感じられても、実際に目にすると大きな違いがあるんだということだ。
自分、病気なんじゃないか...?
と思う前に、私を見た周りの反応がどう考えても普通じゃなかった。
だから、
「ただ大人しいだけでしょう」
とか、
「人見知りなだけ」
とか、
「今はなんでも病気にするんだね」
とか言ってる人は、実際に場面緘黙症の人を見たことが無い人がほとんどなのではないだろうか。
多分、場面緘黙症の話せなさや動けなさ、表情の強ばりやまとっている空気感など、よくわかってないんじゃないかな、と思う。
人見知りと場面緘黙症は、実際に見たら全然違って見えるものなんじゃないかなぁと私は思います。