幸せになってほしい
私の母は、我が子をすごく大切にしてくれる母である。
生まれてから25年間、一緒に暮らしてきたが、母が私や弟を世界で1番大切にしてきたことはすごくよくわかる。
母ひとりで私達を育ててくれた。
学校で口がきけなかった私、思春期に大荒れだった弟をひとりで育てるのは本当に大変だったと思う。
私の病気のことで何週間も口をきかなくなるレベルの大喧嘩は数え切れないほどしてきたけど、それでも、いつまでも自立できずにいる私のことを支えようと頑張ってくれてるし、喧嘩を経て私のことを理解してもらえたことも沢山ある。
もう25歳、四捨五入したら30歳で、いい大人だし、親元を離れて自分のことは自分でできる年齢だ。
実際に、3つ下の私の弟も上京して自分で働いて暮らしている。
でも私は今、週に3回、夕方のみの仕事しかできていないから、自立どころの話じゃない。
おまけに、私が働けない分を母ひとりで働いているような状態だ。
今のこの状態、申し訳なさが半端ないのである。
そんな母と私の病気について話をするときにいつも母が決まっていうことが、
「あんたは昔も今も苦しそうにしてるから、お母さんは、あんたに幸せに生きてほしい。人生を楽しく生きて欲しい」
ということだ。
確かに、子どもの頃から学校で口がきけなくてほぼ孤立していたし、とりあえず話せるようにはなった今もなかなか社会になじめていない。
友達もなかなかできないし、彼氏もずっといないし、1人はある程度好きだとはいっても、友達連れやカップルを見て嫌な気持ちになってしまうのは、やっぱり自分も人間関係を築きたいのにできないから嫉妬してしまっているのである。
嫉妬するなら自分も人と関わればいいのだけど、やっぱりなかなかできない。
いつもはひとりでいても平気なのだが、たまに寂しさに打ちひしがれて2時間ほど大泣きしてしまうこともある。
こんな娘を見て、母は、ものすごく心配だと思う。
私はお母さんになったことはないけど私が母親だったらきっと、自分の子どもには立派に育って欲しいと思うだろうし、そして絶対に幸せになって欲しいと思うだろう。
自分の子どもの幸せな姿を見られないことはすごく悲しいだろうなって思う。
もう私もアラサーだし、母もそれなりに年だ。
すぐにはできなくても、結婚みたいな大きなことじゃなくても、私が自分らしくのびのびと人生を謳歌したいし、母にそんな私を見て安心してもらいたい。
せめて母が生きている間にはそうなっているように、病気とうまく付き合い続ける方法を模索していこうと思っている。